僕がそれを目撃したのは、昨日の通勤電車の中だった。
電車がカーブに差し掛かって大きく揺れ、倒れまいと足を一歩横に踏み出した瞬間、僕の横に立っていたスーツの男、僕と同年代だろうか、が、苦しげな呻き声をあげた。
そんな感触は無かったが、足でも踏んでしまったかと足元に目を遣ると、そこで見た光景は想像外のものだった。
男のズボンのファスナーが全開で、えーと、その、ムスコが飛び出していたのだ。
しかも、それは隆々とフル勃起し、男と向かい合って立っている女性がそれに手を重ねていた...。
うそだろ...。
男の顔を見ると、目を閉じて眉を寄せ、自分のムスコを這い回る指の感触に集中しているようだ。
時折、うっ、と低い呻きを漏らしている。
僕が聞いたのは、これか。
信じられない痴態から、僕は目を逸らせなかった。
女性の指が、濡れた亀頭を撫で回す。
手の平全体で、裏筋を撫で上げる。
棒を握りしめ、激しく、上下に擦る。
僕は、熱に浮かされたようにその動きを見つめつづけた。
気が付くと、僕のムスコも目を覚ましていた。
やべぇ、と焦るが、混雑した電車の中で右手にブリーフケース、左手にPCを提げた僕には為す術も無い。
ただ、勃起したカタチを車内で晒すのみだ。
もう、どうにでもなれ。
やけくそな思いでズボンを膨らませていた僕に、女性がちらっと目を走らせた。
ばれる!
女性は、僕のズボンの膨らみを一瞥すると、今度ははっきりと、目を合わせてきた。
わわわ、いやいや、盗み見するつもりは無くてですね、と頭の中で言い訳する僕。
なんでこっちが焦らなくちゃいけないんだ?
そんな僕とは対照的に、女性は落ち着いた様子でにこっ、と微笑む。
そして、声を出さずに唇を動かし、何かを伝えてきた。
ん?何だ?
あ?し...?...た?
明日?!
目を見開いた僕を見て、意味が伝わったことに満足げに頷く女性。
明日は、僕の、番?
僕のムスコが首を一段と高く上げ、熱くなった。
そして今、既に期待で勃起している僕の目の前に、いつもの通勤電車が滑り込んできた。
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